ドライブレコーダーは、今やドライバーの安全運転をサポートする不可欠なアイテムです。
特に「ミラー型ドライブレコーダー」は、そのデザイン性と機能性で注目を集めています。
しかし、車検の際にはそのメリットがデメリットに変わることもあります。
車検基準に適合するかどうかは、選択するドライブレコーダーの種類によって左右されます。
この記事では、ミラー型ドライブレコーダーの車検時の扱いについて、そのメリットとデメリットをバランス良く解説します。
視界を遮らないスマートな設計の製品選びから、車検時に求められる保安基準の理解まで、購入前に知っておくべき重要な情報を網羅的にご紹介します。
記事のポイント
- ミラー型ドライブレコーダーが車検基準に適合するかどうか
- ミラー型ドライブレコーダーの設置におけるメリットとデメリット
- ドライブレコーダーの寿命やメンテナンス方法
- ネットで販売される格安モデルの注意点
ミラー型ドライブレコーダーの車検ガイド:保安基準と適合性
ルームミラー型ドライブレコーダーとは?
ルームミラー型ドライブレコーダーとは、その名の通り、車内のルームミラーに組み込まれたドライブレコーダーです。
ミラー型はフロントガラスに取り付けられる従来型のドライブレコーダーと異なり、ドライバーの視界を妨げることなく、車の前方と後方を同時に録画することが可能です。
これにより、車内の美観を保ちつつ、安全運転に必要な機能を損なうことなく利用できます。
ルームミラー型ドライブレコーダーの大きな特徴は、リアカメラの映像をミラーに表示できるモデルがあることです。
これにより、後方の状況も常に把握でき、あおり運転や危険な運転に対する記録も前後から可能になります。
多くのモデルでは、フロントカメラに加えて、後方を映すリアカメラが標準で付属しており、中には360度の視野をカバーするモデルも存在します。
コムテックやケンウッドなど、多数のメーカーから様々なルームミラー型ドライブレコーダーが販売されています。
選ぶ際には、カメラの数や画質、視野角、フレームレート、取り付け方法、Gセンサーの有無、駐車監視機能、HDR/WDRの対応、LED信号機の認識能力、GPS機能、録音機能、安全運転支援機能など、多岐にわたるスペックを比較検討することが重要です。
これらの機能を総合的に考え、自分の車に最適な製品を選ぶことで、安全かつ快適なドライビングをサポートすることができます。
ルームミラーモニターの車検基準
結論から言うと、ルームミラーモニターが車検に通るかどうかは、その設置位置やサイズが保安基準に適合しているかによります。
※現在販売されているミラー型ドライブレコーダーの多くは車検に問題なく通ると言われています。
車検ではドライブレコーダーが運転者の視界を妨げないよう、設置位置やサイズが非常に重要になります。
具体的には、モニターがフロントガラスの視界を遮らない位置にあり、操作が運転の安全性を損なわないことが求められます。
また、モニターの明るさや反射率もチェックポイントです。
これは、夜間の運転時にはモニターが明るすぎず、昼間は太陽光の映り込みを防ぐためです。
これらの基準を満たしていないミラー型ドライブレコーダーは、車検での不合格リスクがあります。
ですので、ミラー型ドライブレコーダーを購入する際には、車検対応製品であるかどうかを確認することが大切です。
製品のパッケージや説明書、メーカーのウェブサイトには通常、車検適合情報が記載されています。
これらの情報を事前にチェックし、適合証明書や製品の仕様をしっかりと確認してから選ぶようにしましょう。
保安基準に適合する製品の見分け方
保安基準に適合するミラー型ドライブレコーダーを見極める際には、以下のポイントを確認することが肝心です。
これらのポイントは、製品が日本の道路交通法に定められた基準を満たしているかどうかを判断するための基準となります。
①認証マークの確認
・Eマーク: 欧州連合(EU)の安全基準に適合していることを示す。
・PSEマーク: 電気用品安全法に基づく日本の安全基準に適合していることを示す。
②製品情報の詳細確認
・製品パッケージや取扱説明書に記載された適合情報。
・メーカーの公式サイトで提供される車検対応情報。
③専門家のレビューと評価
・自動車関連の専門家や評価機関が発行するレポート。
・自動車雑誌やオンラインフォーラムでの推奨事項。
④ユーザーレビューの活用
・購入者のレビューを通じて得られる実際の使用感や問題点。
・オンラインショップや製品比較サイトでの評価。
これらの情報を総合的に検討することで、安全基準に適合する信頼できるミラー型ドライブレコーダーを選択することができます。
ただし、マークがあるからといって全ての車種に適合するわけではないため、自車のモデルや年式に適合するかどうかも確認が必要です。
また、安全基準に適合しているかどうかは、車検時だけでなく、日常の安全運転にも直結するため、慎重に選ぶことが推奨されます。
こちらもCHECK
-
ヘッドレストが車検に必要な理由は?ない場合はどうする?
続きを見る
車検時の注意点とドライブレコーダー
車検時のドライブレコーダーに関する注意点を強化するには、以下のような情報を含めることが考えられます。
車検におけるドライブレコーダーのチェックポイントは、運転の安全性に直結する重要な要素です。
具体的には、ドライブレコーダーが運転者の視界を遮らない位置に設置されているか、
また、車両の操作に支障をきたさないように適切に固定されているかが検査されます。
設置位置は、運転席から見てフロントガラスの上端から10cm以内の範囲、または下端から15cm以内の範囲に収まっていることが望ましいとされています。
さらに、ドライブレコーダーの機能面も重要です。
車検前には、記録装置が正常に作動しているかを確認し、画像が鮮明に捉えられているか、
また、事故時の衝撃を検知するGセンサーが適切に機能しているかなど、細かなチェックが必要です。
これらの機能不全は、万が一の事故発生時に重要な証拠となる映像データの損失に繋がる可能性があるため、車検時には特に注意が必要です。
直接バッテリーに接続されている場合、配線が適切に保護されており、短絡や火災のリスクがないかが確認されます。
また、ドライブレコーダーが車両の電気システムに干渉していないかも検査されるため、車検前には専門家による点検を受けることが推奨されます。
これらの点を踏まえ、車検前にはドライブレコーダーの位置調整だけでなく、機能や電源接続の確認を行いましょう。
運転の安全性を確保するとともに、車検をスムーズに通過するための準備を整えることが重要です。
車検対応ミラー型ドライブレコーダーの選び方とその特性
購入前に確認すべきポイント
購入を検討しているドライブレコーダーの選択に際しては、以下の要素に注目することが重要です。
まず、解像度については、最低でも1080pのフルHDが推奨されます。
これにより、ナンバープレートや交通標識が鮮明に記録され、事故発生時の重要な証拠となり得ます。
視野角に関しては、広範囲をカバーできる140度以上が望ましいとされています。
これにより、車両の前方だけでなく、横断歩道や交差点の様子も捉えることが可能になります。
夜間の映像品質は、低照度環境での性能を示す重要な指標です。
高感度センサーや強化されたナイトビジョン機能を備えたモデルを選ぶことで、夜間でも明瞭な映像を確保できます。
また、保安基準の適合性は、製品が法的要件を満たしているかどうかを示すため、これを確認することは法令遵守の観点からも不可欠です。
アフターサービスに関しては、購入後のサポート体制が整っているか、また保証期間がどの程度提供されているかを確認することが肝心です。
長期間の保証や、迅速な顧客サポートを提供するメーカーは、信頼性が高いと評価されます。
これらの要素を総合的に検討し、自身のニーズに最も適したドライブレコーダーを選択することが、賢明な投資となります。
ルームミラー型ドライブレコーダーのメリット
ルームミラー型ドライブレコーダーは、そのデザインと機能性で多くのドライバーに選ばれています。
ここでは、そのメリットを具体的に解説します。
ミラー型ドライブレコーダーのメリット
➊インテリアとの一体感
ルームミラー型ドライブレコーダーは、車のインテリアに溶け込むように設計されています。
従来のドライブレコーダーがダッシュボードやフロントガラスに取り付けられるのに対し、ルームミラー型は既存のミラーに取り付けるか、またはそれに置き換わる形で設置されます。
これにより、車内の統一感が保たれ、車内の美観を損なうことがありません。
❷視界の確保
設置がルームミラーに統合されているため、フロントガラスの視界を遮ることが少なく、運転中の視界確保に優れています。
特に、フロントガラスの上部に取り付けられる従来型のドライブレコーダーと比較して、視界の妨げになりにくいのが特徴です。
❸取り付けの簡便さ
ルームミラー型ドライブレコーダーは、取り付けが簡単なモデルが多数販売されています。
これにより、追加の取り付け費用が不要になることが多く、ユーザーにとってはコストパフォーマンスが高いと言えます。
❹機能の多様性
最新のモデルでは、高解像度の録画、夜間撮影のクリアな映像、広角レンズによる広範囲のカバレッジ、衝撃検知機能など、多様な機能を備えています。
これにより、事故や事件が発生した際の証拠保全に非常に有効です。
❺価格の手頃さ
ルームミラー型ドライブレコーダーは、機能性と利便性を考慮すると、価格が手頃であることが多いです。
多種多様なモデルがあり、5,000円から20,000円程度の範囲で購入可能な製品が多く見られます。
これらのメリットを踏まえると、ルームミラー型ドライブレコーダーは、機能性、安全性、コストパフォーマンスのバランスが取れた選択肢と言えるでしょう。
運転中の安全を確保しつつ、車内の美観を保ちたいドライバーにとって魅力的なアイテムです。
ルームミラー型ドライブレコーダーのデメリット
ルームミラー型ドライブレコーダーは、その統合されたデザインが多くのドライバーにとって魅力的ですが、技術的な制約と機能的な妥協が伴います。
特に、視認性の問題は、日中の直射日光下でのモニターの反射や映り込みにより、映像が見づらくなるケースが報告されています。
さらに、夜間には、一部のモデルでLEDの逆光や低照度環境下での映像のノイズ増加が指摘されており、これらは事故発生時の証拠能力を低下させる可能性があります。
また、ルームミラーとしての機能に関しても、ドライブレコーダーの構造が視界を狭めることがあり、これは特に小型車やクーペタイプの車両で顕著です。
さらに、取り付けや配線の複雑なタイプのミラー型ドライブレコーダーは、取り付けの際に追加のコストが発生する可能性があります。
これらのデメリットを考慮すると、ルームミラー型ドライブレコーダーの選択は、個々のドライバーのニーズと優先順位に応じて慎重に行われるべきでしょう。
視認性や映像品質、車両への影響など、具体的な懸念事項を理解し、それらを総合的に評価した上で、最適な製品を選択することが重要です。
視認性に関する誤解
ミラー型ドライブレコーダーは、従来のドライブレコーダーと比べて視認性が悪いという誤解があります。
しかし、現在販売されている多くの高品質なモデルでは、十分な視認性を確保しています。
視認性を重視する方は、購入前に実際の映像を確認して、画質や機能をチェックすることが大切です。
事故時の映像証拠としての信頼性
映像証拠の信頼性を高めるためには、ドライブレコーダーの映像品質が極めて重要です。
解像度の高さは、事故の詳細を明瞭に捉えることに直結します。
例えばフルHD(1920x1080ピクセル)以上の解像度を持つドライブレコーダーは、ナンバープレートや交通標識などの細かい情報を鮮明に記録することができます。
さらに、高品質な映像は、事故の原因分析や責任の所在を明確にする際に、不可欠な証拠となり得ます。
そのため、ドライブレコーダーを選ぶ際には単に解像度だけでなく、低照度環境での性能や広角レンズの視野角度など、映像品質を左右する複数の要素を総合的に評価することが推奨されます。
これにより、映像が事実を正確に反映し、信頼性の高い証拠として機能する可能性が高まります。
駐車監視機能の重要性
駐車監視機能は、車が停車している間に周囲の状況を記録する機能です。
この機能があると、駐車中の事故やいたずらに対する映像証拠を残すことができます。
選び方としては、バッテリー消費が少なく、長時間の監視が可能なモデルを選ぶことが重要です。
ミラー型ドライブレコーダーの寿命とメンテナンス
ミラー型ドライブレコーダーの寿命は、一般的には約3年程度とされていますが、使用環境や頻度によって大きく異なります。
主な故障の原因は、熱・温度やSDカードの不具合によるものです。
定期的なメンテナンスを行うことで、長期間安定して使用することが可能です。
具体的には、レンズの清掃やファームウェアの更新などが挙げられます。
配線不要のモデルの特徴
配線不要のミラー型ドライブレコーダーは、その設計により車内の整理整頓を容易にし、設置の手間を大幅に削減します。
これにより、車内の美観を損なうことなく、必要な機能を搭載した状態を維持できます。
さらに、配線不要のモデルは、車両の電源システムへの影響を最小限に抑えるように設計されています。
これは、バッテリーの過度な消耗を防ぎ、長期的な車両のメンテナンスコストを抑える効果があります。
ただし、電源管理には専門的な知識が必要であり、適切な電源取り出し方法を確実に行うためにも、専門家による設置が推奨されています。
専門家による設置では、車両の電源システムに適切に統合され、ドライブレコーダーの機能が最大限に活用されるようにするための知識と技術が求められます。
このようなモデルは、特に新しい車種や高級車において、車内のデザインを損なわずに最新の安全技術を取り入れたいユーザーにとって理想的な選択肢となります。
また、配線作業を伴わないため、車両のリセールバリューを保持するという追加の利点もあります。
ネットで販売されている格安モデルのリスクとは?
インターネット上で販売されている低価格のミラー型ドライブレコーダーは、初期投資が少なく済むという点で消費者にとって魅力的な選択肢に映ります。
しかしながら、これらの製品はコスト削減のために品質面での妥協が見られることが少なくありません。
例えば、一部の製品では映像解像度が720pと低く設定されていることがあり、これは事故時の詳細な映像確認を困難にする可能性があります。
また、耐久性に関しても、格安モデルは平均して使用可能期間が1年未満であるというデータがあり、これは標準的なモデルの2年から3年の寿命と比較して著しく短いです。
さらに、これらの製品はしばしば国際的な安全基準や地域の法規制に準拠していない場合があります。
たとえば、電気製品に求められるCEマーキングやFCC認証がない製品が市場に出回っていることが確認されています。
これらの認証は製品が一定の安全性や電磁互換性を満たしていることを示すものです。
これが欠けていると、使用中に製品が故障するリスクや、他の電子機器への干渉が発生する可能性があります。
したがって、価格のみならず、製品の映像品質、耐久性、安全性、そして法的な適合性を総合的に検討し、長期的な視点でのコスト効率も考慮する必要があります。
低価格が即ち高コストパフォーマンスとは限らず、時にはより高い総合的な費用がかかることを認識することが重要です。
ミラー型ドライブレコーダーと車検について総括
以下、記事の内容をまとめます。
まとめ
- ルームミラー型ドライブレコーダーは視界を妨げず、事故記録に役立つ
- 適合性チェックには保安基準準拠と車種適合性の確認が必要
- 車検基準では設置位置やサイズが視界遮蔽をしないことが重要
- 保安基準適合製品は認証マークと詳細な製品情報で識別可能
- 車検時はドライブレコーダーの機能と電源接続の点検が必要
- 解像度は最低1080pのフルHDが推奨され、事故時の証拠としての鮮明な映像が求められる
- 広角レンズは140度以上が望ましく、より広範囲の記録が可能である
- 夜間撮影に強いモデルは高感度センサーやナイトビジョン機能を備えている
- アフターサービスや保証期間の長さも購入の際の重要な判断基準である