3列目にチャイルドシートを設置すると危険だというのは本当でしょうか?
助手席にチャイルドシートを設置するのは危険だということは知っているけれど、3列目は大丈夫じゃない?とお考えの方も多いと思います。
大家族や子供が3人以上の家庭では、3列目にチャイルドシートを設置しないといけなくなる場面もあるでしょう。
でも、実際に3列目にチャイルドシートを設置するとどんなリスクがあるのかを知っておくことが大切です。
この記事では、チャイルドシートをどこに設置するのが安全なのか、3列目に設置することが危険な理由などについて解説します。
記事のポイント
- 3列目にチャイルドシートを設置する際の潜在的なリスク
- 追突事故の際、3列目のチャイルドシートに座っている子供が受けるダメージの大きさ
- 3列目の座席のクッション性や安全機能が限定的である理由
- 車種やモデルによる3列目の安全機能の違いと、チャイルドシートの設置位置の選び方
チャイルドシートを3列目に設置するのはなぜ危険?
3列目にチャイルドシートをつける危険性
3列目にチャイルドシートを設置することは、多くの親にとって魅力的な選択肢となるかもしれません。
特に、大家族や3人以上の子供を持つ家庭では、車内のスペースを最大限に活用したいと考えることが自然なことです。
しかし、この選択には潜在的なリスクが伴います。
追突事故の際、3列目に設置されたチャイルドシートに座っている子供は、他の場所に比べて大きなダメージを受ける可能性が高まります。
実際、追突事故は交通事故の中でも約30%の高い割合であり、その影響は後席の乗員にも及びます。
特に3列目は車体の最も後方に位置しているため、衝撃の影響を直接的に受けやすいのです。
また、多くの車種では3列目の座席は2列目や1列目に比べてクッション性が低く、安全機能も限定的であることが指摘されています。
これにより、事故の際の衝撃を緩和する機能が十分に働かない可能性があります。
その一方で、全ての3列目の座席が危険であるわけではありません。
車種やモデルによっては、3列目にも高度な安全機能が備わっている場合もあります。
しかし、安全性を最優先するならば、チャイルドシートの設置位置は慎重に選ぶべきです。
このように3列目にチャイルドシートを設置することのリスクを理解し、子供の安全を最優先に考えることが重要です。
安全な運転とともに、適切な座席選びも事故を防ぐための大切な要素となります。
追突事故で一番多いのは?
交通事故の中でも、追突事故は非常に高い割合を占めており、全体の約30%が追突事故であるとされています。
特に注目すべきは、これらの追突事故の約90%が後方からの追突であるというデータです。
参考資料:内閣府 令和3年中の道路交通事情
この統計を見るだけでも後方からの追突事故の頻度の高さと、それに伴う安全性の懸念が明らかになります。
では、なぜ後方からの追突事故が多いのでしょうか?
視認性の問題
後方からの車両は、前方の車両の動きを直接的に確認するのが難しい。
特に、前方の車両が急停車した際、後続車はその動きに迅速に対応するのが難しく、追突のリスクが高まります。
車間距離の不十分
多くのドライバーは、適切な車間距離を保つのが難しいと感じています。
特に高速道路や混雑した都市部では、車間距離が狭まりがちで、前方の車両の急な動きに対応する時間が不足してしまうことがあります。
急な車線変更や交差点での停止
前方の車両が突然の車線変更を行ったり、交差点で予期せず停止した場合、後続車はこれを予測するのが難しく、追突事故のリスクが増大します。
追突事故は、運転者の注意不足や車間距離の確保の不足などが主な原因とされています。
そのため、運転者は常に周囲の状況を把握し、安全運転を心掛けることが求められます。
また、事故が発生した際の過失割合や責任の問題も考慮する必要があります。
追突事故とチャイルドシートの設置場所
追突事故は交通事故の中でも特に発生率が高く、令和2年の事故類型別交通事故発生状況によれば、追突事故の発生率は30.9%となっています。
特に高速道路においては、車両相互の事故の91.4%が追突事故であり、この数字は他の事故タイプと比較しても非常に高い数字となっています。
このような背景から、チャイルドシートの設置場所は非常に重要となります。
3列目に設置されたチャイルドシートは、追突事故の際に大きな衝撃を受けるリスクが高まるため、2列目の中央や左右の位置に設置することが推奨されています。
これにより、子供の安全性を最大限に確保することができます。
また、JNCAPの衝突安全性能評価においても、3列目のシートは評価の対象外となっており、その安全性に関するデータは提供されていません。
このことからも、3列目にチャイルドシートを設置する際のリスクが高いことが伺えます。
一方、外国車の中には3列目にISOFIXのチャイルドシートを設置できる車種も存在します。
気になる方はメーカーに問い合わせると良いでしょう。
最後に、追突事故のリスクを最小限に抑えるためには、運転者自身が安全運転を心掛けることが最も重要です。
特に高速道路などでの運転時には、十分な車間距離を保つことや、前方の車両の動きを常に注意深く観察することが求められます。
次に助手席にチャイルドシートを設置する際のリスクについて考えていきましょう。
助手席にチャイルドシートを設置するリスク
自動車の助手席にチャイルドシートを設置することは、多くの国や地域で推奨されていません。
その主な理由は、エアバッグの存在とその作動時の影響にあります。
1:エアバッグの作動速度
エアバッグは衝突の瞬間に非常に高速で膨張します。
この速度は時速200km以上にも達することがあります。
子供の小さな体にとって、この急激な膨張は大きなダメージをもたらす可能性があります。
2:エアバッグの設計
エアバッグは大人の身体を保護することを目的として設計されています。
子供の体型や体重には合わせられていないため、エアバッグが作動した際の衝撃は子供にとっては逆に危険となる可能性が高まります。
3:チャイルドシートの位置
助手席に設置されたチャイルドシートは、エアバッグとの距離が非常に近くなるため、エアバッグが作動した際の影響を直接受けやすくなります。
特にリアフェイシング(後ろ向き)のチャイルドシートの場合、エアバッグの衝撃は直接子供の頭や首に影響を及ぼす可能性があります。
4:エアバッグの切り替え機能の不備
一部の車種では、エアバッグを手動でオフにする機能が備わっています。
しかし、この機能が正しく作動しない、または運転者がオフにするのを忘れるというリスクも考慮する必要があります。
以上の理由から、助手席にチャイルドシートを設置することは、子供の安全を確保するために避けるべき行為となっています。
安全運転を心掛けるだけでなく、チャイルドシートの正しい設置場所や方法についても十分な知識を持つことが、子供の安全を守るためには不可欠です。
ブースターシートの使用と法律
ブースターシートは、6歳以上の子供がシートベルトを正しく着用できるようにするための補助装置です。
しかし、その使用には一定のルールや法的な制限が存在します。
法律上のルール
道路交通法では、6歳未満の子供を乗せる際にはチャイルドシートの使用が義務付けられています。
これは、6歳未満の子供の体格や骨格がまだ成長途中であるため、通常のシートベルトだけでは十分な保護が得られないからです。
6歳以上の子供については、ブースターシートの使用が義務付けられているわけではありません。
ただし、身長が140cmに満たない場合は、ブースターシートを使用することで、シートベルトが正しく着用できるようになります。
ブースターシートの選び方
ブースターシートを選ぶ際には、子供の体格や年齢に合わせて適切なものを選ぶことが重要です。
背もたれのないブースターシートは、子供がシートベルトを正しく位置づけて着用するための補助として機能します。
ただし、すべてのブースターシートが同じ品質や安全性を持っているわけではありません。
製品によっては、特定の安全基準を満たしていないものも存在する可能性があります。
そのため、購入する前に製品の詳細や安全性に関する情報を十分に確認することが必要です。
チャイルドシートは3列目以外に設置して危険を回避
チャイルドシートはどこが一番安全?
子供の安全を守るためには、チャイルドシートの適切な設置位置が不可欠です。
多くの研究や実験が行われており、その結果、2列目の中央が最も安全という結論が導き出されています。
2列目の中央部分は、サイドインパクトや追突事故の際に、他の位置に比べて衝撃の影響を受けにくいとされています。
具体的にはサイドインパクトの際、ドアと直接接触するリスクが低く、また、追突事故の際も前後の座席に挟まれることで、衝撃が分散されるためです。
実際の数字で見ると、2列目の中央にチャイルドシートを設置した場合、サイドインパクト事故時の負傷リスクが約20%低減するというデータもあります。
しかし、全ての車が2列目の中央にチャイルドシートを設置するのに適しているわけではありません。
多くの車種では、中央部分にISOFIXの取り付けポイントが設けられていないことがあります。
ISOFIXは、チャイルドシートを車のシャーシに直接固定する国際標準の取り付けシステムであり、正しく取り付けられた場合、子供の安全性が大幅に向上します。
ISOFIXの取り付けポイントが中央にない場合、左右の座席のどちらかに設置することが推奨されます。
この際、運転席側と助手席側、どちらが良いかは、車の設計や運転習慣によって異なるため、各車種の取扱説明書や専門家のアドバイスを参考に選択することが望ましいです。
最後に、チャイルドシートの設置位置だけでなく、正しい取り付け方法や適切なサイズの選択も子供の安全に直結します。
常に最新の情報や推奨事項を確認し、子供の安全を最優先に考えることが大切です。
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チャイルドシートを3列目に設置するのは法律的にOK?
法律的には、3列目にチャイルドシートを設置することに対して明確な禁止令は存在しません。
しかしながら、安全性を最優先する視点から考えると、3列目への設置はおすすめできません。
特に、3列目は車両が追突された際に受けるダメージが大きいとされています。
このため、子どもの安全を第一に考える場合、チャイルドシートの設置位置としては3列目以外の場所を選択することが望ましいと言えるでしょう。
チャイルドシート3つ設置する場合の最適な車選び
7人乗りの車を選ぶ際、特に家族が多い場合や子供が3人以上いる場合、チャイルドシートを3つ設置する必要が生じることが考えられます。
一般的には2列目がチャイルドシートの設置に最も適しているとされていますが3列目にも設置する場面が増えてきています。
しかし、多くの自動車の衝突安全性能試験では、「追突時における後部座席の安全性」は確認されていません。
これは、後部座席の安全性に関する基準や試験が確立されていないためです。
しかし、一部の車メーカーはこの問題に取り組んでおり、特にマツダのCX-8やボルボのXC90は、3列目の安全性に関する独自の試験を実施しています。
具体的には、マツダのCX-8は80km/hでの後面オフセット衝突試験を行い、3列目の生存空間が確保されることを確認しています。
このような取り組みは、3列目の安全性に関する情報を公表するメーカーとしては世界的にも珍しいものです。
結論として、チャイルドシートを3つ設置する場合、後部座席の安全性が高いとされるCX-8やXC90などのモデルを選ぶことが、子供たちの安全を最優先する親御さんにはおすすめです。
isofixチャイルドシートを3列目に取り付けることが出来る車種は?
国内の自動車市場において、3列目にISOFIXのチャイルドシートを装着可能な国産車は現在確認されていません。
これは、国産車の多くが2列目までの座席にのみISOFIXの取り付けポイントを設けているためです。
そのため、ISOFIXを活用してチャイルドシートを安全に取り付けたい場合、2列目の座席を利用することを推奨します。
一方、海外製の車種には3列目にもISOFIXの取り付けポイントを持つモデルが存在します。
特に、ヨーロッパの一部の車種ではこの特徴が見られます。
具体的には、フォルクスワーゲンの「ゴルフトゥーラン」や「シャラン」、さらにアウディの「Q7」などが3列目にISOFIXチャイルドシートを取り付けることが可能な車種として知られています。
もし、3列目にISOFIXチャイルドシートを取り付けることができる車種に興味を持たれた方は、ワーゲンやアウディなどのHPで確認するか正規ディーラーに問い合わせることをおすすめします。
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チャイルドシートを2列目に3つ並べることは出来る?
車の内部の広さや設計、さらにはチャイルドシートの種類やサイズによって、2列目に3つのチャイルドシートを並べて設置することが可能かどうかが変わってきます。
特に、大型のミニバンやSUVでは、2列目の座席が広く設計されているため、3つのチャイルドシートを並べることが可能なモデルも存在します。
しかし、すべてのチャイルドシートが3つ並べて設置できるわけではありません。
チャイルドシートの幅や形状、取り付け方法などを考慮し、車の座席との相性を確認することが重要です。
購入前には、車とチャイルドシートの組み合わせを実際に試してみることをおすすめします。
参考情報として、ヴォクシー、ノア、ステップワゴン、セレナ、エルグランド、アルファード、ヴェルファイアなどの大型ミニバンやSUVは、2列目の座席が広めに設計されているため、2列目にチャイルドシートを2つ、場合によっては3つ並べることが可能な車種として知られています。
最終的には、車のモデルやチャイルドシートの種類によって異なるため、具体的な組み合わせを試してみることが最も確実な方法となります。
安全運転のためにも、しっかりと取り付けを確認し、安全なドライブを心がけてください。
チャイルドシートを3列目に設置すると危険な理由の総括
以下、記事の内容をまとめます。
ポイント
- 3列目にチャイルドシートを設置することは多くの親にとって魅力的であるがリスクが伴う
- 追突事故の際、3列目のチャイルドシートに座る子供は大きなダメージを受ける可能性が高い
- 車種やモデルによっては3列目にも高度な安全機能が備わっている場合もある
- 3列目のシートの安全性に関するデータはJNCAPの衝突安全性能評価では提供されていない
- チャイルドシートの最も安全な設置位置は2列目の中央部分である
- ISOFIXはチャイルドシートを車のシャーシに直接固定する国際標準の取り付けシステムである
- 3列目にチャイルドシートを設置することは法的に禁止されていないが、安全性の観点から推奨されない
- 3列目の安全性に関する情報を公表するメーカーは少ないが、マツダのCX-8やボルボのXC90は独自の試験を実施している
- 3列目にISOFIXのチャイルドシートを装着可能な国産車は現在確認されていない
- 車の内部の広さやチャイルドシートの種類によって、2列目に3つのチャイルドシートを並べて設置することが可能かどうかが変わる